日本国内のクレジット活用は、今後さらに高度化・多様化していきます。
- 「除去」クレジットの多様化(国内)
これまでは「森林」がJ-クレジットの「除去」のほぼ全てでしたが、近年、制度が急速に進化しています。
- バイオ炭(Biochar): 農林業の残渣(もみ殻など)を炭化させて土壌に施用することで、炭素を長期貯留する。この方法論(2020年~)によるクレジット創出が急増しています。
- ブルーカーボン(Blue Carbon): 藻場・浅場(海藻など)によるCO2吸収を評価する。2023年にJ-クレジットの新たな方法論が承認され、沿岸部を持つ自治体や企業の参入が期待されます。
- CO2コンクリート: 2025年8月、CO2を吸収・固定するコンクリートの使用を「除去」として認証する新方法論が制定されました。
これらの技術ベース・自然ベースの「除去」の選択肢が広がることで、SBTネットゼロ対応(類型2)を目指す企業の国内での調達機会が拡大します。
- JCM(二国間クレジット制度)の本格活用
第2章で学んだJCM(パリ協定6条2項)は、日本の国際貢献と技術移転の柱です。このJCMで創出されたクレジットが、今後は「GX-ETSの適格クレジット」として活用可能になるルール整備が進んでいます(2025年現在)。
これにより、商社やメーカーが、自社の海外インフラ輸出(例:高効率発電所)によって創出したJCMクレジットを、日本に持ち帰り、自社のGX-ETS目標達成(類型1)に充当するという、よりダイナミックでグローバルな戦略的活用が本格化する見込みです。