カーボンクレジットの取引実務は、より安全・効率的になるよう、急速に進化しています。
- クレジット管理プラットフォーム(SaaS)の普及
従来、Excelで手管理されていた「管理台帳」や「D.D.」プロセスは、非効率でミス(例:償却漏れ、二重使用)の温床でした。
これに対し、現在は、調達ポートフォリオの管理、償却手続き、報告書作成までを一元管理できる専門の「カーボンクレジット管理SaaS(Software as a Service)」を導入する大手企業が増加しています。
- 登録簿(Registry)のAPI連携とSTP(Straight-Through Processing)
東証市場のような取引所と、J-クレジット登録簿システムがAPI(Application Programming Interface)で連携する動きが進んでいます。将来的には、取引が約定すると同時に、登録簿上のクレジット移転と決済が自動的に行われる「STP(Straight-Through Processing)」が実現し、決済リスクや事務手続きが大幅に削減されることが期待されます。
- 「トークン化(ブロックチェーン)」の現実と課題
一時期、クレジットをブロックチェーン上で「トークン化」し、透明性を高める試みが注目されました。しかし、ICVCMなどの国際機関は、安易なトークン化は「中央登録簿との連携(二重計上防止)」が不透明であるとして、慎重な姿勢を示しています。現在の実務の主流は、トークン化よりも、J-クレジット登録簿のような「信頼できる中央集権的な登録簿」の機能性・安全性を高める方向(デジタル化)に進んでいます。